ボリス・ジョンソン首相から手紙が届いた
日本政府が数時間後に緊急事態宣言を宣言するというタイミングで、イギリスの我が家にボリス・ジョンソン首相署名の手紙が届いた。封筒に宛名がないことから、どうやら全戸に配布しているものらしい。とはいえ、コミュニケーションにコストをかけているな。
ものすごく雑に要点をかいつまむとこうだ 。
- 家にいろ。外出してよいのは食材や薬をかうとき、そして一日一回の運動をするときだけだ。このルールを守れない奴はペナルティを課すぞ。
- 外出できないことで深刻なお金の不安が発生する人がいることは理解している。そこは政府ができるかぎり補償するし、ごはんを食べさせつづけるぞ。
- 外出をしないことで、国民の命を守るNHS (国民健康サービス) をなんとしても守ってください。
感服した。
人々に外出を控えさせるために一番に必要なのは、安心である。籠城しても生活は守られるという安心。これが保証されないかぎり人は外出をやめられない。
上記の3点目のメッセージも特筆に値する。英国政府はコロナウィルス禍の初期から次のような一貫したメッセージを発信している。「NHSを守るのを助けてください、人命を助けてください」。
「あなたにも感染する可能性があります」という脅しで人は動かない。事実で人は説得できない。人の意見を変えるには、あなたと私に共通する動機を伝えることが大切であると次の本では説いている。英政府のメッセージはこの原則に従っている。
- 作者:ターリ シャーロット
- 発売日: 2019/08/11
- メディア: 単行本
国民の方を向くというのは、こういうことだよね。
ジョンソン首相にはぜひ、集中治療室から復帰してほしいと願う。